倒産の増加要因としては、(1)同業他社との競争激化から経営力、資金力が劣る業者の淘汰が加速、(2)2015年度の介護報酬の実質マイナス改定による収益への影響、(3)介護職員不足の中で離職を防ぐための人件費上昇、などが挙げられる。
◆景気と逆行する介護業界
特に、介護業界の人手不足は「国内景気が悪い時の採用は順調だが、好況になると人材が他業種へ流出する」など、景気と逆行する傾向がある。とりわけ、小規模事業者は業績低迷に、資金的な制約も抱えており、一層深刻さが増している。
業種別では、「訪問介護事業」の47件(前年度45件)を筆頭にして、デイサービスなどの「通所・短期入所介護事業」が44件(同39件)、「有料老人ホーム」が9件(同11件)、サービス付き高齢者住宅などを含む「その他の老人福祉・介護事業」が8件(同8件)などだった。
設立別では、2012年度以降に設立された事業者が45件(構成比39.1%)と約4割を占め、設立5年以内の新規事業者が目立った。
また従業員数では、5人未満が70件(前年度78件)で、全体の6割(構成比60.8%)を占めた。小規模で資金調達力や社内体制が未整備のため、淘汰される新規事業者の実態が浮かび上がる。
◆安易な起業や異業種参入での失敗が急増
原因別では、最多の販売不振(業績不振)が52件(前年度67件)と前年度を下回ったのに対し、「事業上の失敗」が26件(同19件)と増勢が目立った。
これは、安易な起業や本業不振のため異業種からの参入など、事前準備や事業計画が甘い小・零細規模の業者が思惑通りに業績を上げられず経営に行き詰まったケースが多いとみられる。