いま、ビジネスパーソンが上杉謙信から学ぶべきことは“信念”を持つということにほかならない。加えて、明確なビジョンをはっきりとさせ、自己実現をめざすのである。ただし、それは個人の栄達ではなく「誰かのため」という幅広さが必要だ。会社をひとかたまりの岩だとすれば、自分はその一部となって、岩全体を維持していくという気概を持つことである。
最後に、48歳で世を去った謙信の辞世の句を紹介しよう。それは「四十九年一睡の夢一期の栄華一盃の酒」というものだ。いかにも酒好きだった彼らしい。自分の人生などひと眠りの間に見た夢のようにはかない。人の一生の栄華など一杯の酒にすぎなかったというものだ。悟りにも通じる心も謙信にふさわしい。
▼上杉謙信に学ぶべきポイント
1:常識や欲に支配されずに力を存分に発揮する
2:ライバルに対して感情にとらわれない選択をする
3:信念と明確なビジョンで自己実現をめざす
童門冬二(どうもん・ふゆじ)
歴史小説家
東京都企画調整局長、政策室長などを歴任し、1979年に作家として独立。著書は『小説上杉鷹山』『異説新撰組』『小説二宮金次郎』『小説立花宗茂』など多数。
(歴史小説家 童門 冬二 構成=岡村繁雄 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)