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「公的年金は日本社会・経済の縮図」 "ミスター年金"が論破する公的年金潰れる説 (1/6ページ)

 いつか年金制度は潰れてしまうのではないか--? そんな疑問に対し、内閣官房内閣審議官として「社会保障・税一体改革」を取りまとめた"ミスター年金"が制度をわかりやすく説く。

 今の日本はすでに1人で1人を支える「肩車」状態

 公的年金制度の基本的仕組みは「働いている現役世代が生み出した付加価値を、生産から退いた高齢者に配る」ことです。公的年金制度は、よく「肩車」や「騎馬戦」などにたとえられますが、「働いている人が働いていない人を含めた全人口を支える」という意味では公的年金も普通の社会と基本構造は同じです。

 2015年の日本の総人口は約1億2700万、生産年齢人口は約7700万ですが、実際に働いている人数(労働力人口)は6600万で総人口の約50%にすぎません。6600万人で1億2700万人を支えている。今の日本だってすでに「1人で1人を支える『肩車』」になっているのです。

 今、日本経済は潰れていません。しかし今後日本はさらなる高齢化・少子化・人口減少・労働力人口減少が進んでいろいろ厳しい局面を迎えます。このことは公的年金についても言えることです。支え手が減って受給者が増える。制度は潰れはしませんが、バラ色の給付というわけにはいきません。

 公的年金制度の課題は日本社会と日本経済が直面する課題そのものです。できる改革は進めていかなければなりません。「公的年金は日本社会・経済の縮図」なのだということをまず理解してください。

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