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「小腹」に負ける人は人生に負ける レジ横でバレる「貯められない人」の本性 (5/5ページ)

 ▼お金の習慣を変える第一歩「レシートの扱い方」

 こうした浪費習慣を改めるには、どうしたらいいでしょうか。

 家計相談の際には、毎日「その日1日の支出額を振り返ってください」とお伝えしています。レシートや領収書、カード支払いの控えなどをすべて財布から取り出して見て、1日で合計いくら使ったのか、そのお金は使ってよかったのか悪かったのか。反省会を開くのです。

 慣れてきたら、レシートや領収書に、○△×をつけてみましょう。

 たとえば、タクシー代です。「公共交通機関だと疲れて仕事に支障がでてしまう」という理由での乗車は「○」。でも、「雨が降ってきたから」という理由は「△」。「準備作業に手間取り、待ち合わせ時間に間に合わない」という理由は「×」といった具合に。自分なりのルールを決めて、「△」「×」の乗車を少なくしていくのです。

 大量の「買い置き」、賞味期限切れで結局ムダ

 もちろん、タクシー代だけではなく、「食費」などでも同じようにチェックします。そうやって1カ月分ほど自分の買い物・消費動向を確認すると、「癖」がよく見えてきます。節約ポイントも明確になっていきます。

 また、お金を貯める方法の王道のひとつには、現状の家計割合を算出し、比率の多い費目を改善するというものがあります。

 以前、家計相談に応じた30代の夫婦共働きの2人世帯では、手取り収入の20%を食費(外食別)にかけていました。世帯収入は計45万円で食費が9万円だったのです。この比率は高いため、収入の15%を目標におさえることになりました。

 まず、「○△×」でレシートをチェックしてもらったところ、使い過ぎの原因のひとつは「食へのこだわりの強さ」であると判明しました。国産品や有機野菜にこだわっていて、結果的に割高なものを買っていたのです。

 もうひとつの原因は「買い置きの多さ」でした。まだ十分にストックがあるのに、セールで安いからとまとめ買いする。でも、乾物、缶詰などは賞味期限がすぎて、結局ムダにしてしまうこともわかりました。

 そうやって「使いグセ」にチェックを入れることで、食費の割合は16%にまで下がりました。

 自分やご家庭のルールでかまいません。レシートに「×」のつく買い物を減らしていくことで、お金は徐々に貯まっていくはずです。

 (社会保険労務士 井戸 美枝 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)

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