
土砂崩れが発生した広島県熊野町の現場では、行方が分からない人たちの捜索作業が続いた=9日午後(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影)【拡大】
活発な梅雨前線による西日本豪雨の死者は9日、12府県で126人に上った。警察や消防、自衛隊による懸命の救助活動が続けられたが、広島県の土砂災害現場や、広範囲に冠水した岡山県倉敷市真備町地区などで犠牲者が増え、死者・行方不明者299人を出した昭和57年の長崎大水害に次ぐ被害で、平成で最悪となった。なお6府県の86人が安否不明で全容は見えず、拡大する恐れもある。
安否不明者の大半は広島県と岡山県に集中している。広島県では、大規模な土砂崩れが発生し、多くの住宅が流されるなどして多数の不明者が出ている熊野町や広島市安芸区の現場などの捜索が続いた。
岡山県では倉敷市真備町地区で8日から本格化した排水作業が一定程度進み、要員を集中投入して建物内部の確認作業を急いだ。残る浸水地域についても調べている。
愛媛県でも土砂災害現場での救助活動を展開。防災ヘリコプターなどで県内全域の被害状況を調べた。
気象庁などによると、西日本に停滞していた前線の活動は弱まり、各地で天候が回復したが、これまでの記録的豪雨により引き続き土砂災害に警戒するよう呼び掛けている。また岡山市で32.0度、広島市で32.7度を記録するなど被災地は厳しい暑さに見舞われた。