朝起きて新聞を読む、通勤時にスマートフォンでニュースを読む、帰宅して録画したテレビを見る-。メディアや生活習慣の多様化で、こんな“典型例”に収まらないライフスタイルの人が増えつつある。人々が生活の中で実際にテレビや新聞、ラジオ、スマホなどにどう接触しているのか、実態をつぶさに解析した研究が、7月に広告会社の電通から発表された。
メディアは従来、視聴率や部数といった指標の中で語られることが多かったが、この研究では現代人が「1日、1週間といった時間の流れの中でどのようにメディアを視(み)る・聴く・読む習慣があるのか」が分かるのが特徴。テレビ視聴率調査で知られる「ビデオリサーチ」と共同で、東京近郊の12~69歳の男女4971人に行動を15分単位で1週間分記録してもらい、解析を進めたという。
シンクタンク「電通メディアイノベーションラボ」の美和晃(あきら)メディアイノベーション研究部長は、「現代人のメディアへの接触状況を、特徴的な7つの分類と、それをさらに細かくした30のカテゴリーにタイプ分けすることができた」と説明する。研究の成果について「ライフスタイルやメディアとの関わり方は変わってきているといわれているが、それを説明するきちんとした調査はなかった。今回の研究で裏付けを得られた」と語った。