
大規模な崖崩れが起きた吉野地区に続く車道235号=6日朝、北海道厚真町(杉浦美香撮影)【拡大】
道路は波打ち、信号の灯は消え、大規模な土砂が家屋を押し流した…。6日未明に北海道を襲った最大震度6強の揺れ。道内は各地で停電が発生し、鉄道が止まり、混乱を極めた。夜が明けて被害の深刻な状況も徐々に判明。「手がつけられない」「どうなっているのか」。住民は不安を募らせた。
震源に近い厚真(あつま)町では山が数百メートルにわたり崩れた。大量の土砂が山肌の木々をなぎ倒して、民家を飲み込んだ。
町内の福祉施設では冷蔵庫の中身が飛び出し、調理器具も散乱。食品庫や温冷庫も倒れた。「すべてが使い物にならない。めちゃくちゃな状態だ」。施設で給食を調理する会社の男性代表(57)は嘆く。
施設の裏でも土砂崩れが発生し、利用者は別の施設に避難せざるを得ない状況だという。けが人はいなかったが、男性は「余震も起きている。利用者に非常食を配るため、準備を進めているところだ」と話した。
町内の旅館でも食器が落ち、ガラス棚も割れ、宿泊客に片付けを手伝ってもらっているという。「経験したことがない揺れで比較的長く感じた。停電も続いていてテレビも見られない。状況が把握できず教えてもらいたいくらいだ」。切り盛りする女性(37)は訴える。
周囲の信号は消え、道路は隆起。女性は「小さい子供たちは落ち着いているが中学3年の息子はショックを受けているようで、じっとしたまま動かない」と漏らした。