ちょっとした困り事
もともとコミュニティーカフェなど地域支援事業をしていた古市さんが、現在のサービスを本格化したのは平成28年。電球交換に訪れた高齢女性宅での出来事がきっかけだった。
玄関ドアが開けっぱなしだったので、理由を尋ねると、インターホンが壊れたが、直し方が分からず、友人が訪ねてきたときに気づかないと悪いからと開けたままにしていたという。インターホンは電池交換しただけで直った。女性は「ありがとう、ありがとう」と大粒の涙を流し、「これでぐっすり眠れる」と喜んだという。
古市さんはこの瞬間、客観的にはちょっとしたことでも、本人にとっては大変な困り事があることに気づかされた。超高齢化が進む一方で、家族やご近所さんに頼ることが難しくなったいま、そうした困り事を解決する事業が不可欠だと考えた。
「信頼を得るまでは大変なことも多いですが、個人的には、利用者さんとお話しする中で人生の奥深さや喜びに触れることが多く、刺激的。ありがたい限りです」と古市さんは言う。