プロ家庭教師が気づいた「タワマン上層階の子」注意すべき特徴 (2/5ページ)

※写真はイメージです(写真=iStock.com/A_Melnyk)
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 リビングには巨大なソファと、父親の趣味なのだろうか、高級カメラがズラリと並ぶ。天井にはゴージャスなシャンデリアが吊されているが、灯りは部屋全体に届かず、間接照明が必要だ。だが、その間接照明もムーディーな雰囲気で、とても子供が勉強できる空間ではない。大人の私でも、何だか落ち着かないのだ。

 Aくんの家を訪ねたときにいつも感じるのが、住空間の違和感だ。Aくんの家は窓が開かない。タワーマンションも中層階くらいまでなら、窓が開けられ、ベランダもあるが、上層階になると危険を防ぐために、わずかしか開けることができない。そのため部屋は年中エアコンで温度調整をすることになる。窓が開かない家は、虫が入ってくる心配はないが、自然の風を感じることができないし、鳥のさえずりも聞くことができない。タワー上層階の暮らしは、子供を人間らしい当たり前の暮らしから遠ざけてしまう。

 外に出るのを面倒くさがる、温室育ち

 Aくんの家で指導をしていると、とても疲れる。Aくんに算数の問題を教えてもなかなか理解してくれないからというのもあるが、一番の理由はエアコンによる人工的な室温が身体にダメージを与えるからだ。Aくんがたった1時間の授業に集中できないのも、この部屋の温度が一定で、刺激がないからだと推測している。

 人間は変化のない空間にずっといると、身体感覚が育たない。暑かったり寒かったりといった肌感覚がなく、足裏の感覚も常に一定だと、身体に刺激が少なく、身体感覚が鈍る。そして、いろいろなことに興味を示さなくなる。

 タワーマンションの最上階に暮らすAくんは、外に出ることを面倒くさがる。いつも快適な温度の部屋で過ごしているから、「晴れているから外で遊ぼう」「涼しくなったから散歩に行こう」という気持ちにならないのだ。外に出ようと思っても、エレベーターの待ち時間があったり、エレベーターホールから玄関まで距離があったりで、時間がかかる。このアクセスの悪さも面倒くさがる原因になる。

世界が広がらない