プロ家庭教師が気づいた「タワマン上層階の子」注意すべき特徴 (5/5ページ)

※写真はイメージです(写真=iStock.com/A_Melnyk)
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 タワーマンションの立地に捨てがたい価値を感じるのなら、子育て中はあえて階を下に変えるなど、できるだけ地上に近い環境にし、子供の五感を育ててほしいと思う。引っ越すことができないのなら、床を無垢に変えたり、大人が好むムーディーな照明を明るいものに変えたり、ガラスやメタリックの家具を手触りのいい木製にするなど、リフォームや家具の買い替えで、できるだけ自然に近い環境にしてほしい。部屋に観葉植物を置くだけでも効果はある。

 小中学生の学びの根底は、自然と生活

 子供の集中力は、“ゆらぎ”(風のそよぎや、揺れるカーテンによって室内に差し込む光がゆらゆらと変化するもの)があるほうが続く。同じ状態が続くと飽きて、疲れる。エアコンや照明はときどき強弱が変わるものを選ぶといい。少し不安定で不快なくらいの方が、人間の身体感覚は鍛えられる。

 タワーマンションの居住者に限らないが、子供を意識的に外に連れ出したい。都心にも自然が残る公園はあるし、少し郊外に行けば畑もある。そしてできるだけ自然や生活を感じさせるといい。小学校で学ぶ勉強も、中学受験の勉強も、学びの根底にあるのは「自然」と「生活」だ。小学生の学びにそこが欠けていると伸び悩む。成績の伸び悩みは、子供自身の能力よりも環境によるところが大きい。あまり表に出ない、子供をめぐる環境の実態を伝えていくのも、家庭教師の役目だと思っている。

 (プロ家庭教師集団「名門指導会」代表 西村 則康 石渡真由美=構成 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)