(4)評価制度運営の責任者、担当者を立てる
前述のように、評価は重要な項目です。
だからこそ時間をかけて慎重に実施していかなければならず、片手間でできる業務ではありません。
評価制度に対しての運営責任者や担当者を立て、評価制度に注力させることが重要です。
(5)シンプルにする
例えば評価表の項目や評価する箇所が多く、複雑になっている評価制度を見かけることがありますが、これは評価者にも被評価者にも誰にもメリットはありません。何十項目もある評価表をスタッフごとにチェックしていくのは大変な作業です。つい手を抜いて、いい加減な評価をするようでは、人財育成どころではなくなってしまいます。
評価制度で大切なのは、継続して実施するということです。そのためにも限りなくシンプルで、ただし手間を惜しまないように構築していきましょう。
◆フォローアップが大事だ
評価は、評価したら終わりではありません。
評価した項目を、被評価者に伝える評価面談もしくはフォローアップ面談を行うことが必要です。
面談の時間としては一人15分~30分といった時間を確保し、現状のレベルの認識と、次の成長に向けたモチベーションの向上を行う必要があります。
評価面談では評価者のコミュニケーションスキルも求められます。
伝えるべき内容をメモにし、言葉を選び、客観的に伝えることができるように事前準備をしていきましょう。
また、一方的に話すのではなく、被評価者の意見もできるだけ引き出すことができるように話を進めていきましょう。
人財育成の50%は教育で、残りの50%は評価です。
そして人財育成の基本は、「良いところを伸ばす」そして「悪いところを直す」であり、評価はこの2つを直接伝えることができる絶好の機会なのです。
なので私は、「評価制度こそが人財教育の最大の武器である」と考えています。
あなたの企業がまだ評価制度の構築をしていないなら、早急に構築を行ってください。既に評価制度はあるがうまく活用ができていない、という場合は先ほど述べたポイントを見直してみてください。
次回も引き続き、評価制度についてお伝えしたいと思います。
【プロフィール】有本均(ありもと・ひとし)
株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン社長
1956年、愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部入学後、大学1年からマクドナルドでアルバイトを始め、1979年、日本マクドナルド株式会社に入社。店長、スーパーバイザー、統括マネージャーを歴任後、マクドナルドの教育責任者である「ハンバーガー大学」の学長に就任。2003年、株式会社ファーストリテイリングの柳井社長(当時)に招かれ、ユニクロの教育責任者である「ユニクロ大学」の部長に就任。その後、株式会社バーガーキング・ジャパンの代表取締役など、外食・サービス業の代表、役員を歴任する。2012年、ホスピタリティ&グローイング・ジャパンを設立。マクドナルド、ユニクロ等を経験して得た「人財育成のノウハウ」を活かし、世界中のサービス業の発展を目指す。著書に「どんな人でも一流に育つしくみ」。
【マック&ユニクロ流人財育成】は有本均さんが人を上手に育て会社を成長させる人材育成のノウハウを伝える連載コラムです。次回更新は1月29日の予定。アーカイブはこちら。