ローカリゼーションマップ

世界中から集まる学生の「文化差」は? スイスの大学で教える日本人准教授に聞く (2/3ページ)

安西洋之

 同校の卒業生は国境を超えて仕事をするケースが多いが、もともと米国以外の出身は多言語を操る学生が多いからか、多文化環境に比較的馴れている。

 「そのためか、欧州の学生は特に、世界の歴史・地理の基本的な知識が備わっている印象があります」と杉山さん。

 集団と個人のどちらに重きをおくかにも違いがある。

 「例えば中東など集団を重視する地域出身の学生は、欧・米の学生に比べ、学業面でも仲間同士の助け合い精神が強いようです。イタリア人学生も助け合いには積極的で、さらに先生へのリスペクトを表現しながらも、駆け引きも上手く、サバイバル能力が備わっている印象です」

 集団を重視する中東の出身者は1人で考えるのが苦手、ということはあるだろうか?最近、ぼくは日本で講演していて、「1人で考えてもいいのですか?」とのコメントを受けることが多く、この点に関心がある。

 「この点は面白いですね。一人で考えるのが苦手という印象はないのですが、特にこちらから指示しなければ、確かに中東の学生は仲間と一緒に話し合って考える傾向が強いと思います。例えば、授業中にその日の課題、リーディングのレビューシートやアクティビティーシートを配布すると、私がグループで話し合って、という指示を出す前から、クラスメートと話し合いを始めます。逆に、アメリカの学生は、グループで話し合って、という指示でも、一人でやっていたり、一人で一通りシートをこなしてから、クラスメートと話し合ったりする傾向があります」

 なるほど。個人か集団かだけでなく、先生の指示通りに動くかどうか、という点でも違いが出るようだ。

 冒頭のカンニングに対する処分の仕方でも触れたが、同校の場合、文化の解釈と基準の設定の仕方に特色があるようにみえる。

 「文化とは社会的規範や価値から成り立つものですが、国際社会で将来活躍する人材を育てる国際大学で、どこに基準を置くかというのは簡単ではありません。大学がアメリカとスイスで認証されているので、そこが基本的には基準になります」

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus