クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」に見る良きリーダーシップとフォロワーシップ (2/4ページ)

 パワーの源泉からリーダーシップを考える

 さて、現代のリーダーシップ論では、リーダーとは役職者だけが担う役割ではなく、誰もが学ぶことができ、状況に応じて実践すべき機能であるということが常識です。また、リーダーシップと対比されるフォロワーシップも、皆が必要に応じて発揮することが望ましいとされています。

 つまり、状況に応じて、誰かがリーダーシップを発揮し、その他のメンバーがフォロワーシップを発揮するという状態が臨機応変に展開していくと、チームは良いパフォーマンスを出しやすくなるのです。

 まずリーダーシップから考えてみましょう。

 リーダーシップは学べるとはいえ、何のバックグラウンドもない人間がいきなりチームでリーダーシップを発揮することは難しいものです。やはり何かしらパワーの裏付けが必要となります。パワーにはいくつかの分け方がありますが、ここでは最も典型的な「公式の力」「個人の力」「関係性の力」の枠組みで分類してみましょう。

 まず公式の力ですが、音楽バンドゆえ、通常の組織のような上下関係はありません。公式にはリーダーが誰ということも明示されていません。もともと水平的な関係だったと言えます。メイとテイラーは、前身バンドからの生え抜きですが、それゆえに強い立場にあるというわけでもありませんでした。

 関係性の力に関しては、もちろん個々人の人脈などもあったのでしょうが、それは本映画ではあまり見えてこなかったのでここではかなり簡略化しました。映画の中では、マーキュリーが「ボヘミアン・ラプソディ」を知人のラジオパーソナリティに掛け合って流してもらうシーンもありますが、彼は他のメンバーとも仲が良かったようです。

やはり注目される個人の力