というのも訳がある。かつてマウリッツィオから「ぼくはスポーツで身体を痛めつけて、その内から爆発するように出てくるエネルギーを創造意欲に繋げる」と聞いていた。しかも体つきから話ぶりまで含めて、胸は厚くそして心は熱い男だ。
「ぼくの人生はカラフルだ、と形容できる」とまで語っていたのだ。
それが数字だって?
彼はとことんと考えを突き詰め、「あらゆるところに疑問を持ち続けるのがやめられない。裏と底には何があるのか、といつも考える。これは自分の弱みかもしれない」とさらに自分さえ疑う。
外見に似合わず、禁欲的で合理性を重んじる人間だ。
その彼に、好む3つのスポーツをどう使い分けしているのか、あるいはそれぞれにどういう意識を向けるのか、と聞いてみた。3つとは、スキー、スカッシュ、スキューバダイビングである。
彼はラケットを手にするスポーツは何でも夢中になる。卓球、テニス、バトミントン。スカッシュでは国内選手権で優勝したこともある。スキューバダイビングは指導員の資格をもち、休暇の際はインストラクターとしても潜る。冬はスキーだ。
スキーは1人で自分をじっと見つめるのによい。したがって、クライアントに会う前でも提案する前でも、または施工の最後の段階でも必要な「内省的である状態」をキープできる。