受験指導の現場から

スマホ中毒の本当の怖さを知ってますか? 合否の分かれ目にも (1/5ページ)

吉田克己
吉田克己

 【受験指導の現場から】2月19日、「スマホ校内持ち込み容認へ 大阪府がガイドライン素案」とのニュースをメディア各社が一斉に報じた。これには文部科学省も即座に呼応し(根回し済みなのだろうかと勘繰りたくなる)、翌日には「小中学校へのスマホ持ち込み、見直し検討 文科省」といった続報がされている。直後の別の記事によると、柴山昌彦文科相は、「大阪府の動向を注視しつつ、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化を踏まえて検討を進めたい」と慎重姿勢を崩していないものの、著名な教育評論家である尾木直樹氏は、「信じられない愚策」とブログで即座に反応し、ネット上では賛否が真っ二つだという。

 小・中学生が校内にスマートフォンを持ち込むことに功罪両面があるのは当然であるが、小欄では今回その是非を論じよう、というのではない。今回のテーマは、「小・中学生が日常的にスマホを使うことが、成績(学力)にどの程度影響しているのか」である。

 せっかく勉強した成果まで…

 小欄でこのテーマを取り上げることにした、その事の発端は4年ほど前に遡る。ある集まりの場で当時の地区責任者から、「4~5年前に比べると子供たちの記憶力が下がってきていると感じているが、皆さんはどうか? 何か思い当たることがあれば報せてほしい」という話が出た。

 4年ほど前というと2015年の前半、ちょうど校舎内でスマホを操作する(もちろん、休憩時間であるが)中学生が目立ち始めた時期と一致する。

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