まずユエバオの“WHO”を考えてみると、背後には中国という世界最大の市場があります。そして、次に“WHAT”は、銀行預金よりも相対的に高い利回りが得られる、非常にわかりやすいベネフィットを備えた金融商品だったことがあげられます。
世界最大の人口を誇る中国の人々が、預金代替となりうる金融商品に魅力を感じていたわけですが、ユーザーが単にお金を引き出したり使ったりしたいだけの場合であっても、一般的な金融商品のように資金決済に数営業日がかかってしまうようでは、日常的には使われなかったでしょう。毎月の給料を振り込む先に指定しようというポジションはとれなかったはずです。
では、どうして爆発的な普及が起こったかというと、「これは日常的に使えるぞ」と思わせるユーザー体験である“HOW”が用意されていたからなのではないでしょうか。相対的に高い利回りの預金代替となりうる金融商品でありながら、アリペイと組み合わせることで、いつでもどこでも引き出せて、街の食堂やスーパーなどで手軽に使えるように設計されていたのです。こうして、ユエバオのPMFは達成され、爆発的な広がりを見せたのではないのでしょうか。
では、ロビンフッドはどうでしょうか。ロビンフッドは、株式やETFの取引を手数料無料で行える画期的なサービスですが、「取引手数料無料」を全面に打ち出すことだけでこれほどの爆発的成長を成し遂げたわけではないと思います。