交通規制した2日間は、首都高の交通量が7%程度減少した。入り口を最大で40カ所以上閉鎖し調整したことが大きい。それでも選手村から競技会場までの所要時間は、一部の時間帯で長くなった。このままでは、もし事故が発生し渋滞した場合の対応がかなり難しくなることが懸念される。
首都高の交通量を削減すればするほど、使う人にとっては便利になる。この結果、一般道路から移る交通が増え、削減の効果を相殺することが交通シミュレーションでも予見されていた。
私は、大会関係者が使う時間帯には首都高料金を高くして転換を抑制し、逆に夜間や早朝の料金を下げて利用を促すことが、大会本番で有望な対策だと考える。
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【プロフィル】赤羽弘和
あかはね・ひろかず 千葉工業大教授。1958年長野県生まれ。東京大院修了、工学博士。95年から現職。専門は交通工学。東京五輪の渋滞対策をまとめる「交通輸送技術検討会」の副座長を務める。