支え手側にも
顔見知りが増えれば、「さりげない見守り」にもなる。矢沢正春代表(64)は「参加者も、日常生活では支え手に回れる」と指摘する。毎週会うことで、お互いの体調を気遣うように。しばらく姿が見えなければ自然と連絡を取る。「スマートフォンの使い方を教え合ったりもする。メール送信ができると、熱中症や災害のときもSOSを出せる」という。
家電の使い方を相談されて、代わりに家族を引っ張り出すケースも。老いても誰かの役には立てるし、それは生きる充実感にもつながる。行政や制度で対応できないちょっとしたニーズを拾えるのは住民自身だ。
矢沢代表は「戸山ハイツは助け合いの精神も色濃く残っている。住民の気持ちをうまくつなげたら、夢も希望も案外ある町を作れるんじゃないかな」と語る。自分たちが老いても、住みたい街にするのが目標だ。
おしゃべり、あいさつ、情報交換…。そんなささいなことが暮らしを豊かにし、地域に活力をもたらしていく。