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地縁を結び直し、老いを支え合う 東京の都営住宅が取り組み開始 (3/3ページ)

 支え手側にも

 顔見知りが増えれば、「さりげない見守り」にもなる。矢沢正春代表(64)は「参加者も、日常生活では支え手に回れる」と指摘する。毎週会うことで、お互いの体調を気遣うように。しばらく姿が見えなければ自然と連絡を取る。「スマートフォンの使い方を教え合ったりもする。メール送信ができると、熱中症や災害のときもSOSを出せる」という。

 家電の使い方を相談されて、代わりに家族を引っ張り出すケースも。老いても誰かの役には立てるし、それは生きる充実感にもつながる。行政や制度で対応できないちょっとしたニーズを拾えるのは住民自身だ。

 矢沢代表は「戸山ハイツは助け合いの精神も色濃く残っている。住民の気持ちをうまくつなげたら、夢も希望も案外ある町を作れるんじゃないかな」と語る。自分たちが老いても、住みたい街にするのが目標だ。

 おしゃべり、あいさつ、情報交換…。そんなささいなことが暮らしを豊かにし、地域に活力をもたらしていく。

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