フルフラットにすると荷室が完全に使えなくなるが、荷物は前席と後席の下にできる隙間に詰め込むことが可能。ラゲージの下にも90Lの大容量アンダートランクを備えているので、荷物の移動はやや面倒だが、収納に問題はない。できれば天井の中央部にランタンなど吊り下げることのできるフックは欲しいと感じた。ちなみに杉渕が一番心地よかったのは、後席の背もたれを起こすロングソファモードだそうだ。
側面のパワースライドドアを開けると、少し屈むだけで車内にウォークインすることができる。フロア高が365mmと低いので乗り降りは楽チン。ベビーカーを乗せるときもストレスを感じないはずだ。荷室は高さこそあるが、後席の背もたれがバックドアに近いので奥行きが狭い。
バックドアは縦に長いので、特に開くときには注意が必要。ドアエンドが自分の体にグッと迫ってくる感じがあるのだ。クルマの背後に壁やフェンスがあるときは、ぶつけないよう気をつけたい。今回のように雨が降っているときは、水平に開いたバックドアがタープのように雨を遮ってくれる。荷物を降ろすときなど傘代わりになって便利だが、ドアを閉めるときに、上に溜まった雨が滝のように流れ落ちるのでくれぐれも注意をしてほしい(と、この時の体験から語る)。
この日は撮影後に撤収した。すでに20時を回っている。再び中央道で東京に戻り、自宅近くで腹ペコの杉渕に焼肉をおごって解散した。
街乗りは非常に快適
翌日は街乗りを試してみた。ショートノーズのコンパクトカーなので、小回りの利き具合は感動もの。激しく狭いコインパーキングにも楽々と駐車ができた。これは軽の大きなアドバンテージだ。
見た目に似合わず、かなりハイテクをつぎ込んでいるのも特筆すべきポイント。運転席シートヒーター、挟み込み防止機能付きスライドドア、先行車発進お知らせ機能、衝突回避支援ブレーキ機能、バックモニターなどなど、スマート機能が満載だ。
ウェイクを運転していて何度も感じたことがある。それは、独特の車内空間と移動時間を心から楽しんでいるというワクワク感だ。決して目的地へ急ぐようなクルマではない。運動性能を求めるのも何か違う気がする。今、この瞬間を仲間と共有しながら走るのが、最高に楽しくて幸せなのだ。
体のサイズを選ばず
車内は開放感に溢れて“詰め込まれている”といった感覚がないので、心にゆとりが生まれやすいこともワクワクする要因だろう。体が大きい杉渕もウェイクに“受け入れてもらえた”と感じているようだ。「広くて、長時間乗っても気にならないぐらい、座り心地に不満はありません! 段差は別にして、寝るのにちょうどいい硬さだと思います」と満足そうに話していた。要は100kgオーバーの男性でも、(一人なら)ウェイクをドデカク使えるということだ。ちなみに今回の試乗で約340kmを走破した。カタログ燃費23.8km/Lに対して、実燃費は14.1km/Lだった。
試乗車を返却したその日の夜、仕事から帰宅したときに「さっきまで駐車場にウェイクがあったんだ」と少しさみしい気持ちになった。この数日間でウェイクとたくさんの思い出を作ることができた、ということなんだろうと思う。今回の企画で足りなかったのは、ワカサギを持ち帰ることができなかったということ。ぜひ、杉渕とリベンジしなければ!
ちなみにワカサギを期待して待っていた妻が翌日、スーパーで「ワカサギの磯辺揚げ」を買ってこっそり食べたのを、床に落ちていたレシートを見て知ってしまった。そんなに食いたかったんかい!
■杉渕敦(すぎぶち・あつし)
1985年生まれのB型。埼玉県越谷市出身。早稲田大学卒業。嵐の大ファン。趣味はつけ麺の食べ歩き。
【乗るログ】(※旧「試乗インプレ」)は、編集部のクルマ好き記者たちが国内外の注目車種を試乗する連載コラムです。更新は原則隔週土曜日。アーカイブはこちら
■主なスペック(試乗車)
車種:ウェイク
グレード:G“SA”
全長×全幅×全高:3395×1475×1835mm
ホイールベース:2455mm
エンジン:水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ横置
総排気量:658cc
タイヤサイズ:165/55R15
最高出力:47kW(64ps)/6400rpm
最大トルク:92Nm(9.4kgm)/3200rpm
駆動方式:FF(前2輪駆動)
トランスミッション:CVT