乗るログ

異次元の速さにドライバー自ら車酔い レクサスのレーシングカーで富士に挑む (3/3ページ)

SankeiBiz編集部

 個人的なハイライトは、中高速の100Rという大きな右カーブで体感した操縦安定性の高さだった。100Rの特徴はコーナーが永遠に続くような感覚に陥るほど右カーブが長いことと、加速しながら曲がるにつれてだんだんとターンが内側に鋭くなることなのだが、RC F GTコンセプトは時速100km/h程度なら雨中でも安心してマシンをコントロールすることができた。初体験の筆者には度胸のいる試みではあったが、コーナリング中に横滑りする気配はおろか、微量の修正舵すら加える必要がなかった。まあ、性能の高さを考えるとこのマシンの限界をまだまだ引き出せていないのは明白なのだが。

 筆者が特に苦労したのは…

 筆者が一番苦労した点は、ワイドタイヤを履いた独特の車両感覚をつかむことだった。RC Fよりも大きく張り出したフェンダーとヘルメット越しの視野の狭さに慣れることができず、コーナーの縁石をクリッピングするのに相当手こずってしまった。はじめのうちに助手席側の縁石に派手に乗り上げてしまい、縁石の凹凸を「ダダダダ!」と乗り上げる不快な音が車内に響いた時は「やばい!」と冷や汗が流れた。

 圧倒的な空力性能がもたらすダウンフォース(車体を路面に押し付ける力)の利いた走りにも手を焼いた。コーナリング速度が速いため、普段はまず感じることのない強い横Gが何度も体を襲うのだ。結果的に自分で運転中に車酔いするという初めてのハプニングを経験してしまった。レーシングカー、恐るべし--。

 誰でも簡単に非日常体験

 RC F GTコンセプトの最大の魅力を挙げるなら、やはり「レーシングカーの走行性能をプロドライバーでなくても楽しめる」ということだろう。その走行感は市販車とは大きくかけ離れており、一つひとつのアクションがドライバーにとって非日常体験となるのだが、それを味わうのにプロ並みの高度な運転技術も特殊なドライビングライセンスも必要としない。せっかくこんなに楽しいマシンを作ったのだから、今後「誰でもサーキットに来れば気軽にRC F GTコンセプトで遊べます」なんて日が来ることを一人のクルマ好きとして期待してしまう。

 筆者が運転した翌日には、倍率50.7倍の難関を突破した8名の一般参加者が晴天のもと、先導車のいないフリー走行やリレー方式のレースなど様々なイベントを体験した。彼らに話を聞くと「サーキットを走るのは初めてです」という参加者がほとんど。RC F GTコンセプトについて「速い・止まる・曲がるがしっかりしていて乗りやすかったです」「恐怖心はありませんでした」と存分に楽しんだようで、中には「220km/hまで出しました」なんて人もいた。大嶋選手も「プロが乗っても十分楽しめるレーシングカーです」と太鼓判を押すRC F GTコンセプト。もし興味のある読者は、次回の「レクサス・アメージング・エクスペリエンス」にぜひ応募してみてはどうだろうか。

【乗るログ】(※旧「試乗インプレ」)は、編集部のクルマ好き記者たちが国内外の注目車種を試乗する連載コラムです。更新は原則隔週土曜日。アーカイブはこちら

参加GTドライバー

立川祐路、石浦宏明、大嶋和也、国本雄資、片岡龍也、中山雄一(敬称略)

主なスペック レクサス「RC F GTコンセプト」(試乗車)

全長×全幅×全高:4760×1963×1380mm

車両重量:1493kg

エンジン:V型8気筒DOHC

総排気量:5L

最高出力:351kW(477ps)/7100rpm

最大トルク:530Nm(54.0kgm)/4800~5600rpm

パワーウェイトレシオ:3.13kg/ps

空力:フロントスポイラー/リヤウイング

内装:ロールケージ装着/フルバケットシート

フロントブレーキ:レース用キャリパ/ディスク/パッド

リヤブレーキ:レース用パッド

トランスミッション:8速/ATパドルシフト

駆動方式:後輪駆動

タイヤサイズ:280/680R18(レース専用スリックタイヤ)

定員:2名

ステアリング:左

車両本体価格:試作車

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