ヘルスケア

脳卒中や筋力低下も 欧州で問題化する新型コロナ後遺症 (3/3ページ)

 ペスカローロさんも協力したジェノバのリハビリ研究所の所長、ピエロ・クラバリオ博士の研究チームは5月以降、ジェノバの病院で治療を受けた数百人の新型コロナの元患者に連絡を取り、入院期間が3日以下という軽傷患者を含む55人を診察。うち8人は合併症もなく、その後のサポートも必要なかったのですが、クラバリオ博士はその他の元患者たちの驚くべき状況を前述のCNNにこう説明します。

 「全体の50%は心理的な問題を抱えており、15%はPTSD(心的外傷後ストレス障害)でした。そして、最も驚いたのは、ICU(集中治療室)で治療を受けていない軽症患者でさえ、非常に体が弱っていたことです。心臓や肺に問題が生じた形跡はありませんでしたが、彼らは階段を上がれませんでした」

 そして博士はこう付け加えました。「ほとんどの元患者は相当、筋力が落ちており、52歳の看護師の元患者は、そのせいで、回復後、職場に戻ることができませんでした。しかし、良かったことは、私たちのリハビリジムで一定期間、運動すると、ほとんどの元患者が効率的に回復したことです」

 新型コロナに関してはまだまだ分からないことが多いのですが、退院後も想像以上の苦しみが待ち構えていることを覚悟すべきなのは間違いありません。とにかく“感染しない、させない”ことを徹底しなければなりません。(岡田敏一)

 【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当を経て大阪文化部編集委員。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。産経ニュース( https://www.sankei.com/ )で【芸能考察】【エンタメよもやま話】など連載中。京都市在住。

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