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通りすがりの“ハーレーおじさん”も大興奮 アルピーヌA110で自在の走り (3/4ページ)

SankeiBiz編集部

 軽やかな走りに感動

 スタート地点は横浜の市街地だったのだが、まず驚いたのがやはりというべきか、その軽さだった。走り出してわずか数メートル、一発目のカーブでハンドルを切った瞬間に「軽ッ!」と唸ってしまった。こんな“平凡”な場面でも分かりやすく表れるほどに、普段から乗り慣れている感覚とは明らかな違いがあるのだ。

 高速道でアクセルを踏み込めば7速DCTが継ぎ目なくリレーし、背後から雑味のない滑らかなエンジン音を響かせながら鋭く加速する。とはいえ大排気量パフォーマンスカーのように過敏に反応する荒さはない。そもそもそれほど爆発的なパワーを秘めているわけではない。だがむしろ、「1.1tの車重ならこのくらいがちょうどいい」と納得できるほど、パワーユニットの味付けが絶妙だと思えた。

 箱根のワインディングでは、MRならではの正確で軽やかなハンドリングに魅了されてしまった。ハンドルを切れば面白いようにスイスイとカーブを駆け抜けていく。A110の前後重量配分は44:56で、重心はドライバーの着座点にある。まるで駒を回すかのように、自分を中心にクルマが右へ左へと旋回するのだ。操舵フィールはわずかな舵角にも反応するクイックタイプだが、ハンドル自体の反力はわずかで非常にライトな印象。軽く手を添えるだけで優雅に操ることができるのだ。エンジンが後ろにあるので、とにかくフロントが軽くてよく曲がる。この俊敏で軽快なコーナリング感覚はまさに超軽量ボディとミッドシップエンジンの融合による賜物である。

 走行モードは「ノーマル」「スポーツ」「トラック」から選択可能。それぞれにトランスミッションのギアシフトプログラムとアクセルペダル、エンジン回転数に関する制御プログラムが設定されており、高回転型のセッティングで最大パフォーマンスを発揮する「トラック」はどうやら、パドルシフトを操作するマニュアルモードのみ設定されているようだ。

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