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住みたい街ランキング“下剋上”の象徴…郊外の本厚木が1位になったワケ (2/3ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 躍進のカギは「手厚い子育て支援」

 住みたい街ランキングはまさに戦国時代の“下剋上”の様相を呈している。台風の目になった本厚木は、小田急小田原線の主要駅。新宿までは快速急行で50分ほどで、朝の通勤時間帯(午前6~8時台)には新宿や東京メトロ千代田線方面の始発電車も多く、確実に座って通勤することもできる。一部の特急ロマンスカーが停車する駅でもあり、小田急線を利用して通勤・通学する人にとっては利便性が高い地域だ。

 周辺には大学も多く「学生の街」としても知られ、家賃相場はワンルームで6万円前後と都心に比べるとかなりリーズナブルだ。本厚木駅近くの物件を取り扱う不動産会社の担当者は「(コロナ禍の影響で)例年と比較すると学生の入居者は大きく減少しているが、最近では家族連れのお客さまが増えてきている」と勢力図の変化を肌で感じている。「(ランキング1位となったことで)厚木市の充実した行政サービスが広く知られる良いきっかけになれば」と期待を寄せる。

 厚木市は「日経DUAL 共働き子育てしやすい街ランキング2019」でも全国9位(神奈川県では1位)にランクインしており、待機児童解消のための取り組みや未就学児のいる世帯へのサービス拡充など、子育て支援の手厚さが評価されているという。

 第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は「新型コロナの影響でテレワークが浸透し、毎日会社に行く必要がなくなった。それに伴う生活様式の変化で住環境への価値尺度も変わってきている。本厚木は小田急線の始発電車も多いため、都内へ通う人にとっても便利な土地なのだろう」と指摘する。

 本厚木には駅ビルの「本厚木ミロード」をはじめ、映画館も備えた「アミューあつぎ」などの商業施設が立ち並ぶ一方、市内には都心から最も近い温泉地といわれる「七沢温泉」もある。全国有数のアユ釣りスポットとして知られる相模川が流れ、ピラミッド型の美しい山容を誇る大山(1252メートル)を望みながら四季の移ろいを感じることもできる。充実した行政サービスと緑の多い環境でありながら、都心へのアクセスも比較的良いことが人気を押し上げているようだ。厚木市企画政策課の担当者は「都心にはない自然豊かな環境が厚木にはある」と胸を張り、「選択肢の一つとしていただければ」としている。

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