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エスカレーターの慣習 “関東左・関西右”は対抗意識から? 駅のPOPが話題に (3/3ページ)

SankeiBiz編集部
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 「駅長は怒らないでほしいわね!」

 母娘の“ユルい”やりとりは、「笑わせてくる」「二度見不可避」とSNSでも話題になった。ただ気になるのは、最後に“お母さん”が「(新開地駅長は)…怒らないでほしいわね!」と小声(小さな文字)でささやいていること。もしや駅長“非公認”のPOPなのだろうか。だとすれば、POPを作成した駅員の立場が案じられるが、もちろん、阪神電鉄の公認のPOPだ。

 同社の担当者は「SNSで話題になることまでは見越していませんでしたが、よりお客さまの目にとまるよう、第1弾から進化させてきました」と明かす。

 実は、ここに至るまでのシナリオがあったというのだ。

 阪神電鉄によると、話題になったPOPは第3弾。第1弾は「まじめな文面」で、「エスカレーターは立ち止まってご利用ください」などいたって普通のPOPだったという。エスカレーターのPOPは徐々に“エスカレート”。第2弾のPOPでは“歌舞伎役者”を起用し、「あと少しの我慢~っ! そのままぁ~、そのままでぇーっ!」と目を引くものに。そして今回の第3弾につなげていったという。

 エスカレーターを歩く人が追い抜きざまに他の人と接触、転落するといった事故も起きている。エスカレーターの片側空けは、利用客が片側に集中するため輸送効率も落ちるといわれている。エスカレーターの正しい乗り方を啓発するために作成された新開地駅のユニークなPOPは、駅の利用者だけでなく、SNSを通じて多くの人の目に触れることになった。阪神電鉄の担当者は「これを機に、エスカレーターの安全な乗り方『歩かずに立ち止まる』『手すりを持つ』について、ご理解いただけますと幸いです」と話している。

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