政府 「温室ガス26%削減」正式決定 国連事務局に提出

 

 政府は17日、温室効果ガスの排出量を2030年に13年比で26%削減するとの日本の新目標を正式に決定した。17日夜に国連気候変動枠組み条約事務局に提出する。世界の温室ガス排出量の約7割を占める19の国と地域が目標を提出したことになる。

 安倍晋三首相(60)は午前に開かれた地球温暖化対策推進本部で「気候変動への対応では、国際社会全体による取り組みの強化が急務だ」と強調。「関係閣僚は連携し、地球温暖化対策の充実と国際交渉での国益の実現に向け、全力を挙げていただきたい」と話した。今後、目標達成のための具体的な計画作りが課題となる。

 首相は6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、各国に「野心的な案」と説明した。だが京都議定書の基準年である1990年と比較すると18%削減にとどまり、環境保護団体は「不十分だ」と指摘している。

 目標は、省エネルギーの推進や電源構成の見直しで温室ガスの排出量を21.9%減らすなどして達成を目指す。

 LEDやHV普及

 最大の排出源である火力発電所からの削減のため、電気事業連合会などの電力業界は同日、30年度の電力販売量1キロワット時当たりの温室効果ガスの排出量を、13年度に比べ約35%削減すると発表した。

 ただ、環境省は「発表内容だけでは、26%削減の達成を確実なものにできるかどうか明らかではない」としており、今後、電力業界に詳細を確認する方針。

 省エネ推進策の一環として、LEDなどの高効率照明の普及率を30年までに100%にするほか、ハイブリッド車(HV)を29%にするとの目標も盛り込まれた。

 世界各国は、年末にパリで開かれる同条約の第21回締約国会議(COP21)で新たな温暖化対策の国際枠組みの合意を目指しており、各国が提出する目標は合意の中核と位置付けられている。

 ≪電力業界は35% 自主目標発表≫

 電気事業連合会などの電力業界は17日、2030年度の電力販売量1キロワット時当たりの温室効果ガスの排出量を、13年度に比べ約35%削減する自主目標を正式に発表した。大手電力や新電力などが共同で策定した。原発の再稼働を前提とし、達成に向けて再生可能エネルギーの活用を進める。

 新設の火力発電所に最新技術を導入し、温室効果ガスの排出量を年間で最大1100万トン削減する。四国電力の13年度のほぼ半分に相当する二酸化炭素(CO2)排出量を抑制する。

 環境省は6月、CO2削減の観点から、山口県宇部市の大型石炭火力の計画に対し、「是認しがたい」との意見を示していた。

 電力業界は自主目標を示し、火力発電の新設に理解を求める構え。目標達成に向けて、どのように実効性を高めるかが課題となる。

 電事連の八木誠会長(関西電力社長)は17日の記者会見で、自主目標に関し「挑戦的な目標だ。大変な意義がある」と強調。確実な達成に向けて「(電力会社ごとの)役割分担や責任の在り方も検討していかないといけない」と述べた。

 自主目標には大手電力10社と電源開発(Jパワー)、日本原子力発電と新電力23社が参加を表明。販売電力量ベースで99%の電力事業者に当たる。(SANKEI EXPRESS