(11月30日~12月6日) COP21出席へ 首相、対テロ「最前線」訪問
This Week安倍晋三首相は29日から国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に出席するため、パリ同時多発テロで揺れるフランスを訪れる。各国首脳と対テロに向けて団結し、来年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)議長国として存在感発揮を狙う。ただ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」への軍事作戦に名を連ねず、非軍事面の貢献に徹する日本の発信力に限界は否めない。
「卑劣極まりないテロ行為は各国が共有する価値観への挑戦だ。国際社会がテロを防ぐため連携していく」。菅義偉(すが・よしひで)官房長官(66)は26日の記者会見で、安倍首相のパリ訪問の意義について力を込めた。
11月中旬からの20カ国・地域(G20)首脳会合やアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など一連の国際会議で、安倍首相は「パリでまた会おう」と各国首脳に呼び掛けた。政府筋は「COP21を開催してテロに屈しない姿勢のフランスにいち早く呼応した」と解説する。
国内事情も抱える。野党が求める年内の臨時国会召集を見送り、外国訪問に踏み切っただけに「何としても外交で得点を稼ぎたい」(周辺)のが本音だ。来年夏の参院選への政権浮揚策として重視する伊勢志摩サミットで、テロ対策が重要テーマとなるのは間違いない。
しかし、欧米の関心はイスラム国掃討作戦に集中する。とりわけトルコ軍によるロシア軍機撃墜を受けた亀裂の修復が課題となる。安倍首相が中東への食料や医療支援を唱えても「受け身の立場」(政府関係者)なのが実情だ。
日本政府は、今年1月に表面化したイスラム国による邦人人質事件の際に非軍事貢献を貫く立場を強調した。政府内には「たとえ後方支援でも、米軍主導の有志連合へ参加すれば邦人が標的になりかねない」との懸念がある。
菅氏は会見で、日本が打ち出すテロ対策を問われ、12月上旬にも設置するテロ関連情報の一元的な集約に向けた「国際テロ情報収集ユニット」を挙げた。だが、中東や欧米が舞台だけに「情報面で日本が大きな役割を担うのは現状では困難だ」と防衛省筋は打ち明ける。(SANKEI EXPRESS)
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