参院平和安全法制特別委員会で、米国による盗聴疑惑について「事実であれば同盟国として極めて遺憾」と答弁した安倍晋三(しんぞう)首相=2015年8月4日、参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)【拡大】
内部告発サイト「ウィキリークス」は、米国家安全保障局(NSA)が7月31日、日銀総裁や経済産業相の電話を盗聴していたとする米政府の機密資料を公表した。
Q NSAって何?
A 米国防総省に属する情報部門の中核組織の一つだ。海外における通信傍受が主任務で世界最大の盗聴機関とも指摘される。中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者による暴露で2013年6月に市民の通話記録収集が発覚。その後、各国指導者らへの盗聴も判明したが、日本への具体的な盗聴実態が明るみに出るのは今回が初めてだ。
Q どんな資料が公表されたの?
A 日本政府高官のほか、三菱商事のエネルギー部門などが含まれた盗聴対象リストや、盗聴を基に作成された日米関係や気候変動交渉におけるNSAの報告書だ。盗聴は06年の第1次安倍政権時代までさかのぼり、経済活動に関する内容も含まれていた。