有川さん自身の女性としての価値観と、彼女の中に潜んでいる男子の部分を持ち寄ることで、自然に描けるのだという。
「私が物語を作るのではなく、キャラクター(登場人間)が生きた結果として物語ができるのであって、それを垣間見ているだけ。だからこそ、キャラクターに対して、ちゃんと一人の人間としての敬意を忘れたくない」
有川さんにとって物語は、“書く”のではなく、自然に“描き出される”ものなのかもしれないという印象を受けた。だからこそ、その物語は、どんどん広がっていくのだと感じた。
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■ありかわ・ひろ 1972年生まれ。高知県出身。2003年に『塩の街』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞し、04年に同作でデビュー。主な著作は『空の中』(04年)、『海の底』(05年)、『図書館戦争』シリーズ(06年~)、『クジラの彼』(07年)、『阪急電車』(08年)、『フリーター、家を買う。』(09年)、『キケン』(10年)、『県庁おもてなし課』(11年)、『旅猫リポート』(12年)など。