しかし、アベノミクスに向けられた賛辞とは裏腹に、国際社会が経済成長のためには大胆な財政出動もいとわない日本の政策にある種の不安を抱いているのも確かだ。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相(58)は安倍首相との個別会談で、「デフレを脱却する必要はよく理解するが、日本は大変な財政赤字を抱えている。そこへの取り組みはどうするのか」と首相に詰め寄った。
世界第3位の経済大国であり先進国で最悪の借金を抱える日本が、金利上昇などによって、財政面でのリスクが高まれば、ギリシャ債務危機以上の、世界的な「経済危機」の引き金ともなる。首相は「財政健全化にはデフレからの脱却が重要だ」と反論したが、財政再建の道筋を示す中期財政計画を具体化していく考えも明らかにした。