中国政府が運営する人道団体の「中国赤十字会」が、臓器移植を斡旋(あっせん)する見返りとして、移植手術を行う病院に礼金を要求し徴収していたと、中国紙が7月11日までに報じた。
倫理的に透明性と公平性が不可欠な臓器移植をめぐる金銭授受は、国際的なタブーであり、中国の法律でももちろん禁止されている。だが、生まれ変わりの「輪廻(りんね)転生」を信じる人が多い中国では臓器提供者が少なく、慢性的に臓器が不足。
国際的に批判されている死刑囚からの提供が行われ、臓器売買も横行するなか、移植仲介の中核を担う団体の金銭授受という不透明な実態がまた一つ明らかになった。
礼金徴収問題は、北京のタブロイド紙「新京報」が、病院職員や赤十字会職員の証言として報じ、中国国営新華社通信(英語電子版)やフランス通信(AFP)などが一斉に伝えた。