交渉前に「安心」要求
4月29日にモスクワで行われた日露首脳会談で、安倍晋三首相が01年3月のイルクーツク声明を基礎に平和条約(北方領土)交渉を行いたいと述べたのに対して、プーチン大統領は反応しなかった。パノフ氏は、イルクーツク声明を策定した際のロシア側責任者で、現在もロシアの対日政策に無視できない影響を与えている。パノフ氏はこのコメントを通じて「イルクーツク声明の合意がその後、日本側によって反故にされた。今回も同じようなことが起きるとプーチンのメンツが完全に潰される。合意をあとで覆すようなことが起きないとロシア側を安心させることが焦眉の課題だ」というメッセージを安倍首相官邸と外交当局に送っているのだと筆者は解釈している。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優/SANKEI EXPRESS)