広がる財政格差
米国では東部などの大都市圏と地方の財政格差が開き、人口と企業の流出による税収不足から財政難に陥る自治体が続出している。とくにミシガン州やオハイオ州など中西部は「ラスト・ベルト(さびついた産業地帯)」と呼ばれ、鉄鋼など製造業の衰退が著しい。
米国の州や市は財源をまかなうため地方債を発行しているが、その格付けも近年急落。一昨年に破綻したアラバマ州ジェファーソン郡も、格下げによる信用不安が引き金だった。自治体はいざとなれば増税に踏み切れるが、当然住民の抵抗は強い。シェールガスの開発で潤う一部地域を除けば、財政再建へ光明が見いだせない自治体は少なくない。
デトロイト市の財政破綻は、景気回復から取り残された米自治体の財政リスクを浮き彫りにした。基幹産業の衰退で空洞化し、税収難がとどめを刺す負の連鎖。デトロイトの転落に続く破綻ドミノの不安が米経済とオバマ政権の先行きに暗い影を落としている。(ワシントン支局 柿内公輔(かきうち・こうすけ)/SANKEI EXPRESS)