国際金融市場とは何か。異形の大国中国がいかに米国債を保有しようと、それは米国にとって不安材料であり、安定装置はやはり世界一の債権大国である日本からの資金供給ルートしかない。日本がデフレである限り、日本国民の巨大な余剰資金が国内生産に使われずに、海外に出ていかざるをえず、米国債投資に回る。ウォール街にとってドルに対して価値が上がるデフレ下の円建て金融資産はラスト・リゾート(最後のよりどころ)となる。消費増税ともなれば、日本の消費者の負担増を担保にする日本国債は高い価値が保証される。これがワシントン主導の国際通貨基金(IMF)が日本の財務官僚と組んで盛んに消費増税を日本に催促してきた背景である。
他方では、「財政再建よりも経済成長を優先すべし」とIMF、G7、G20ともうたっている。にもかかわらず、世界最大の債権国、つまり最大の貸し手である日本だけは緊縮財政を優先するというのは、倒錯としか言いようがない。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)