ただ、課題は山積している。PLNSCの猪俣典弘さん(43)は、「せめてあと10年早ければ」と、身元判明の難しさを指摘する。時が経つにつれ記憶が薄れ、情報が曖昧になり、父親のことを知る証言者も亡くなるなどで、国籍回復を望む2世の状況は年々、厳しくなっている。
7月19日に沖縄に降り立った知念ノルマさん(71)は祖国の地を踏み、「父の身元が分かったときは50%の喜びだったが、いまは100%の喜び」と涙を流した。ノルマさんは 1980年頃から父親の消息を探し、2005年に父親の身元が判明した。当時は半信半疑だったが、今回、沖縄にいる親族との対面が実現し、初めて日本人であることを実感できたという。
父の故郷である津堅島に渡り、父の弟と妹、ノルマさんにとっては叔父さん叔母さんと話し、父親をより身近に感じることができた。ただ、ノルマさんのように親族と対面できるケースは少ない。