【安倍政権考】
参院選後の政界は、「自民党1強」の様相となり、安倍政権の視界はこの上なく良好のようにみえる。ただ、思わぬ落とし穴にはまるケースがままあることも、自民党の歴史は教えてくれている。国民の支持を保ち続けるのは、いかにも難事といってよく、安倍晋三首相(58)には、その在任期間中、粉骨砕身の覚悟を求めたい。
政権が危うい情勢になるときは、内閣支持率の低落や不祥事などによる閣僚の辞任、そして経済政策の失敗などが先行指標のように表れてくる。安倍政権はどうかといえば、今のところ、そんな懸念はみじんもない。
報道各社の世論調査でも、内閣支持率は5割前後と高位安定を維持しており、危険水域とされる3割台への突入など考えられないようである。閣僚の辞任もない。経済も首相の経済政策「アベノミクス」による日銀の大胆な金融緩和、機動的な財政出動が奏功し、内閣府が発表した今年4~6月期の国内総生産(GDP)の一次速報も、3四半期連続でプラスとなった。