「10月危機説」の声
してみると、まるで死角がないような安倍首相にしても、いつ何時、橋本元首相の二の舞にならないともかぎらない。当面の政治課題に照らせば、今秋に判断するとしている来年4月の消費税増税と、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉などが難事であり、政界では「10月危機説」を唱える向きさえある。
「消費税増税にしても、TPPにしても、党内の反対派の不満はくすぶっている。強引さが目につくようになると、一気に火がつく」
自民党関係者はこんな見立てをする。2014年度の予算編成で公共事業などの「裁量的経費」をめぐる“獲得合戦”も水面下で激しさを増していて、「参院選で支援してくれた業界団体に借りを返す必要がある」(自民党関係者)という。旧来型の自民党政治が徐々にだが、確実に強まっている。
「古い自民党に逆戻りすれば直ちに、自民党への国民の信頼は失われる」
参院選大勝後の党内情勢を見越すように、首相は7月22日の記者会見で、こうクギを刺すのを忘れなかった。どうやら首相の政権運営を脅かす要因は、足元の党内にあり、どう処するかが政権の行く末を左右しそうだ。
年内にも予定される内閣改造・党役員人事でまずいさばきをすれば、「いつか来た道」をたどる仕儀となる。(松本浩史/SANKEI EXPRESS)