長編映画の監督を引退することが明らかになった宮崎駿監督。世界三大映画祭という場での発表は異例だ=2009年8月、東京都小金井市のスタジオジブリ(奈須稔撮影)【拡大】
公式上映の前に慣例として行われる会見も間もなく終了というその時。スタジオジブリ代表取締役社長で、今回の上映に合わせて現地入りしていた星野康二氏(57)から衝撃的な言葉が飛び出した。
米アカデミー賞長編アニメ作品部門でオスカーを獲得した「千と千尋の神隠し」(2001年公開、興行収入304億円)をはじめ、世界に熱狂的ファンを持つ宮崎監督に関する突然の発表は、05年に優れた映画人に贈られる栄誉金獅子賞が授与されたゆかりあるこの映画祭がふさわしかったのか。突然の発表に、驚きの声がもれた。
体力的な限界
宮崎監督は1997年の「もののけ姫」(興収194億円)以降、体力的な限界を理由に、何度か引退を示唆したことがあった。だが、作品がヒットし、子供たちが喜んでいる反応を知ると、子供たちに夢を見せ続けたいとその度に思いとどまってきた。
とくに、前作「崖の上のポニョ」(2008年、155億円)は自身最多となる17万枚の作画を描き上げ、精神的にも肉体的にも消耗が激しく最後の長編にするという考えがあったという。