長編映画の監督を引退することが明らかになった宮崎駿監督。世界三大映画祭という場での発表は異例だ=2009年8月、東京都小金井市のスタジオジブリ(奈須稔撮影)【拡大】
だが、興行面で前々作「ハウルの動く城」(04年、196億円)に及ばなかったこともあり、「もう1本」と決意を持って臨んだのが、5年ぶりとなる新作「風立ちぬ」だった。
新作でファン層拡大
「風立ちぬ」は、零戦設計者の堀越二郎(1903~82年)という実在の人物を通し、宮崎監督がこれまで描いてきた「戦争の愚かさ」に真っ向から向き合った。新たな挑戦は従来のファン層を広げ、7月20日の公開から興収80億円を突破(8月26日時点)している。
宮崎監督は79年の「ルパン三世 カリオストロの城」で劇場映画監督デビューして以来、計11本の長編映画を手掛けた。その累計興収は、「風立ちぬ」まで含めると約1000億円になる。名実ともに日本アニメ映画、日本映画のトップにいる宮崎監督の引退について、ジブリの社長が、国際映画祭の公式会見という世界発信の場で明言したことは、監督の決意が固いことのあらわれとみられる。