人々の「鼓動」映す
今まで地図上で認識されることはなかったイーストエンド。オリンピックは、開発による環境の改善とそれに伴う観光客の流入などを通じて、この地域を活気づけた。一方、ルーゴ氏とウィーバー氏のドキュメンタリーは、その土地の人々の「鼓動」を映し出すことによって、その存在を照らし出した。
インタビューの最後に、ウィーバー氏が興味深いことを話してくれた。
「再開発と五輪によって、ロンドン東部は確かに変わり、環境が改善された部分もあると思います。ですが、土地というものには、その場所特有の気質のようなものが染みついている。長いこと住んでいるのでわかりますが、何かが介入しても、独特の雰囲気や、そこに住む人々によってつづられた物語はしっかりと持ち続けていると、感じるんです」
この街には、変わりゆくものと変わらないものが共存している。五輪を経験したこの街は、これからどんな風に呼吸していくのだろうか。(今週のリポーター:ロンドン大学・ゴールドスミス校 有志学生記者/SANKEI EXPRESS)