ちなみに、歴代首相の最長在任記録は、日露戦争を勝利に導いた桂太郎の7年11カ月だが、西園寺公望(さいおんじ・きんもち)と交互に政権を担う「桂園時代」のため、連続在任では第2位の佐藤栄作の7年8カ月が最長。第3位は伊藤博文の7年5カ月で、いずれも安倍首相と同じ山口出身であるというところが興味深い。
政権が順風満帆であることが影響しているのか、IOC総会の招致演説で、首相は前回1964年東京五輪の底抜けに明るい情景を紹介した。
「目を閉じると、鮮やかにあの開会式の光景がよみがえります。数千羽の鳩がいっぺんに大空に解き放たれ、澄み渡った青空に5機のジェット機がオリンピックの五輪を描いたのです。本当に私は驚き、素晴らしいと思いました」
10歳で東京五輪を経験し、大学でアーチェリーを始めたのも、72年のミュンヘン五輪で正式種目に復活した影響だったとも明かした。青空といい、的を射止めるアーチェリーというスポーツといい、「未来」を感じさせる演説だった。
安倍首相の招致演説が始まる数時間前、野田佳彦前首相は地元・千葉県船橋市で講演し、59年前の五輪に触れた。
「体操の女王チャスラフスカ、マラソンのアベベ、東洋の魔女の活躍を鮮明に記憶している。もう一回、日本にチャンスがあればなあ。日本の力強い復興の姿をお見せする機会に、ぜひしたい」