日本の固体燃料ロケットには長い歴史があり、イプシロンが初めてではない。1963年にはL(ラムダ)ロケットの最初の打ち上げに、70年にはLロケットで人工衛星の軌道投入に成功した。60年代後半以降、日本は核兵器およびその運搬手段であるICBMなどの製造能力を潜在的に持つ国だと見なされてきた。
イプシロンの安全保障上の意味合いは、核オプションを構成する固体燃料ロケット技術を日本が持ち続けることを意味する。そこで、近隣諸国がICBMを連想したのだが、これは日本にとって悪い話ではないかもしれない。
日本は非核兵器国であり、米国の核の傘に依存している。核の傘を日本へ真剣に差し掛けるよう米国に促すためにも、その他の核兵器国や非友好国が日本をこれ以上侮らないためにも、平和利用の原発・宇宙開発の副産物である核オプションという保険はあった方がよいだろう。(論説委員 榊原智/SANKEI EXPRESS)