だが、民主党が憲法改正に正面から向き合ってこなかった理由は、それだけではない。右から左までの「寄り合い所帯」のこの政党で、9条について深く議論すれば党が二分しかねないからだ。
いずれにしても枝野氏は「安倍政権の発足などによって、改憲派と護憲派の両極端な主張がますます激しくぶつかり合うことが予想される状況となった。(中略)これ以上放置することはできない」と9条改正に踏み込んだ動機をつづっている。首相の存在を抜きにして私案の発表はなかったことを吐露しているに等しい。
さて、枝野私案の中身だが、枝野氏は必要最小限の集団的自衛権を容認している。具体的には、内閣法制局の従来解釈に基づき、(1)急迫不正の武力攻撃を排除するため(2)他に手段がない場合(3)必要最小限の範囲-という自衛権発動の3要件を明文化するという内容だ。「わが国の安全を守るために行動している他国の部隊」への武力攻撃も、日本の平和や安全に影響を及ぼす場合は自衛権発動の対象としている。