だが、問題公表の2年前ごろから何度かあった消費者からの通報や皮膚科医からの指摘といった、会社全体が問題を把握するタイミングを逃した責任は大きい。この遅れが結果的に被害の拡大を招いた点は否定しきれない。
夏坂社長は社員について、「カネボウというより、各部門の社員という意識が強い」と指摘。白斑問題についても部門を越えて社員間で共有されず、トップまで情報が上がってこなかったとの認識を示し、来年1月の定期人事異動では「部門の壁を破壊する」として、カネボウの社風にメスを入れる方針を打ち出した。
強い決意をにじませてはいるが、昨年6月の社長就任から1年の間、そうした社風に切り込めなかったことをも示唆した形だ。1年間できていなかったことに、売上減や補償額が膨らむこの苦しい状況下で挑むことは、被害者への補償と同様、あるいはそれ以上にハードルが高そうだ。(兼松康/SANKEI EXPRESS)