2020年東京五輪に成功し、重く垂れ込める雲のような閉塞(へいそく)感は、ところどころとはいえ切れ間から“青空”をみせるようになってきている。トップリーダーが明るく、強い信念を持って方向性を示すメッセージを繰り返せば、流れは変わる。暗い表情で暗い未来ばかりを語られては、縮み志向が増すばかりだ。
ところで、記者会見の首相の発言のなかで気になる部分があった。
「長いデフレの間に、企業は投資や従業員への還元を行わずにずっとお金をため込んできたという状況が続いた。だからこそのデフレの脱却だ。投資したり、しっかり社員に還元しなければ逆に企業が損をするという時代に変えていく」という部分だ。「損」が何をさすのかわからないが、菅義偉(すが・よしひで)官房長官も2日の記者会見で「賃金がどのような動きをするのかの精査は当然、行う」と述べ、政府が賃金動向を把握し、対応策を講じる考えを示した。
ペナルティー税制?
それらの発言を聞いて、ある政府関係者の話を思い出した。その人物は成長戦略など経済政策の立案に携わる一人だが、「あれこれ政府が対策を講じても最終的には民間がやる気を起こすかどうかの一点だ」と言った。