誰々の息子ではなく
一方、三浦も感じ方は似ている。「この年齢だから、自分で何とかしようと思ってもできないことがいっぱい。でも何とかしたい。このモヤモヤ感。マサルはこんな気持ちなのかなと感覚的に分かっていたから、彼に感情移入はしやすかったですね」。ただ、何が何でも自分の殻を破りたいかといえばそうでもない。特に仕事ではそうだ。「僕の仕事は、作品を見てくれる人からじっくりと自分の仕事ぶりを見られること。評価は見てくれた人たちの感想がすべて。僕は何もできないけれど、何かを発信したいといった気持ちは常にあるんですよ」
それでは「見返してやる」と思ったことは? 平岡が「細かいことですが、言えば言うほど自分が小さい人間になってしまうと思うので…」とお茶を濁せば、三浦は「20歳まではずっと『見返してやろうぜ!』と思っていました」とキッパリ。真意はこうだ。三浦の両親は俳優の三浦友和(61)と元歌手、山口百恵さん(54)。「周囲は『誰々の息子』みたいな呼び方をするんですよ。だから僕は20歳までは『俺は俺だよ!』という強い気持ちがありました」。三浦は俳優として数々の映画に出演し、立ち位置が明確となったいま、「今では『見返してやろう』だなんてまったく思っていません」と力強く語った。