□映画「ランナウェイ 逃亡者」
≪若き日の情熱と理想≫
かつて日本でも学生運動というものがあった。僕はニュースか何かで当時の映像を見たことがあるし、学生運動を扱った作品もいくつかは知っている。きっと戦後の混沌と矛盾に、若者たちの純粋な情熱と理想がぶつかった大変な時代だったのだろう。でも、申し訳ないのだけれど僕が学生運動という言葉を聞くとき、その言葉はある種のファンタジーのように聞こえてしまうのだ。真面目で、懸命で、そして愚かな若者たちの物語として。そしてもっと正直に言ってしまうと、その時代に生きた人たちのことを僕は少し羨ましく思ってしまうときがある。大きな体制と闘い、時代を変える。そんな機運を感じながら、議論と批判に酔うことができたらさぞ気持ちがいいだろうなと。
しかしこの映画は問いかけてくる、自分たちが信じた正義がもしも過ちを犯したとき、私たちはその代償をどう払えばいいのだろうかと。