【本の話をしよう】
≪夢で見た奇想天外なストーリー≫
連続テレビ小説「あまちゃん」脚本家の宮藤官九郎ら多様な才能を輩出する劇団、『大人計画』。その主宰をつとめ、演劇界にとどまらず小説や映画など幅広い分野で活躍する鬼才、松尾スズキさん(50)が、『気づかいルーシー』で、絵本に初挑戦した。キュートで残酷、そして何より、とってもやさしい。“松尾ワールド”のエッセンスが詰まった作品だ。
初心に帰った感じ
「大学でもデザインを勉強していましたし、もともとイラストや漫画を書いていた。なので、いつか絵本を描いてみたいという気持ちがありました。自分の絵柄も、大きなページで見せることができる絵本向きなんじゃないかな」。いい感じに肩の力が抜けたポップな絵柄。「昔、赤塚不二夫さんから言われた言葉が印象に残っていて。『簡単で、誰にもマネできるような絵を描くのが一番難しいんだ』って。まあ、僕はこういう簡単な絵しか描けないんだけど(笑)」
初絵本への気合は十分。「東急ハンズにわざわざ画材を買いに行ったり…学生時代を思い出して懐かしい気持ちになった。初心に帰った感じです」という。