消防庁幹部はこうした運用実態を踏まえ、「なぜ何も発令しなかったのか疑問」と語る。山村氏は「警戒情報という明確な“催促”が出されており、大島町の認識が甘かったのではないか」とみる。
「危機管理ゼロ」憤る住民
「夜中の避難」を懸念するなら、もっと早めに対策を取ることもできた。実際、大島町から南西に約60キロ離れた神津島村では「夜中にいきなり避難してもらうのは難しい」として、(10月)15日夕に防災無線で避難所開設を周知し、(10月)15日午後8時25分に避難準備情報を発令。最終的に16日午前0時半に避難勧告を出した。
大島町の対応をほかの自治体はどうみるか。東京都内の自治体幹部は「勧告発令はいつも躊躇(ちゅうちょ)する」と一定の理解を示す。別の自治体担当者は「せめて準備情報を出して避難所を開設すべきではないか」と話す。