伝説とまで言われたサーフィン大会、イナムラクラシックが鎌倉の稲村ケ崎で開かれたのは、台風20号が相模湾のはるか東南海上を通り抜けた9月26日のことだ。新聞やテレビのニュースでも繰り返し報じられ、すでにご存じの方が多いとは思うが、前回開かれたのは1989年、年号が昭和から平成にかわったばかりの年だった。実に24年ぶりの開催である。
わが『湘南の風 古都の波』取材陣も写真、記事、デザイン担当と総勢3人が早朝7時から現場取材を敢行した。私情を差し挟んで恐縮ですが、ここはなんとしても取り上げないわけにはいきません。
23年もの間、開かれずにいたのは、地元サーフィン関係者で構成する実行委員会が「大会にふさわしいサイズの波が来ない限り開催はしない」という方針を貫いてきたからだ。
「いままではウェーティング(待機)がかかっている期間にいい波が来なかった。今年はその波が来た」
大波に挑む若いサーファーたちの姿と強い日差しに目を細めながら、実行委員長の長沼一仁さんはこう語った。