大会に参加できるのはわが国トップクラスの招待選手に限られている。毎年8月下旬から9月下旬にかけてウェーティング期間を設け、2日前の委員会で波の状態を予想しながら開催するかどうかを決める。開催が決定すると、連絡を受けた招待サーファーたちが、当日早朝、稲村ケ崎に続々と集まってくる…という方式なのだが、23年間その機会はなかった。
今年は8月20日~9月30日がその待機期間であり、実行委員会は当初、台風20号の動きを見ながら25日開催の可能性を探った。
しかし、25日では、大会にふさわしいサイズの波は望めないとの判断から決定を1日保留し、最終的に26日開催が決まったのは前日の午後だった。
それでも、たまたま海外にいた選手を除く29選手が大会にはせ参じた。イナムラクラシックに出たというだけでも、生涯の記憶に残る栄誉なのだ。海のうねりと風との絶妙なバランスが生む大波は、たとえて言えば大瀑布が次々と寄せ来るような印象だ。その伝説に挑むサーファーたちの姿は写真でじっくりとご覧いただこう。(文:編集委員 宮田一雄/撮影:写真報道局 渡辺照明/SANKEI EXPRESS)